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2009.11.30  『10年目の挑戦』

こんにちは、古沢です。

 

 私の友人で静岡県在住の『T君』は、舌癌の手術を5年前におこないました。

 

そのため、唾液が出にくく、食事時間が人の3~4倍かかります。

 

そして手術後しばらくは筆談でしたが、リハビリでだいぶ声が言葉として聞こえるようになりました。(現在は経過も順調、言葉も80%位は生活に支障のない程に回復)

 

 

 

そんなT君ですが、ナント!剣道7段。サラリーマン剣道家としては最高峰だそうです。

 

剣道家の最上段は8段です。

 

8段の審査を受ける資格を取るには、7段を取ってから10年たって初めて8段の審査を受ける資格を得ることが出来ます。

 

T君は10年前7段を取り、8段に向けて稽古をしてる最中の5年前に癌発症。

 

そんなT君が筆談で交わした言葉は『8段を取る』でした。

 

 

それから、5年。

 

T君の『10年目の挑戦』の日がきました。

 

日本武道館午前8時30

 

8段の審査資格を持つ7段の剣道家600人程が全国から集まって来ていた

 

一次審査→二次審査→型の審査があり、8段合格は600人中3~4人の狭き門だそうだ。

 

半数以上が60才代~70才代のように見受けられる。

 

 

試合ではないので、審判の「一本!」の声は聞こえない。6人の審査官が見守る中、2分間の闘いだ。

 

そのため日本武道館は剣道独特の気合いの入った声だけが6会場から鳴り響いてる。

 

出番キリギリまで口内に水分補給!

 

さぁT君の出番!。

 

背の低いT君の相手は頭一つ高い。

 

相手の『面』打ちを受け、『胴』を狙うが、相手も同じ7段、簡単には取らせてはくれない。

 

 

『面』を取るため相手との距離を縮めると、相手の優位な距離になる。

 

相手が『面』を取ろうとした瞬間と相手が『面』を打ち込んだ後の瞬間、その二つの瞬間に相手に『面の隙』が生まれるそうだ。

 

喉が乾くため、相手が先に仕掛けるのを待ち、『一撃必殺』を狙う。

 

 

緊迫した時間の中、6会場で闘ってる剣道家たちの気合いの入った大声。

 

声を出すのも難しい体で一度だけだが、T君の声は日本武道館中に響き渡った。

 

「審査官に届け!」と願う。

 

 

 

とても緊迫した『2分間』が終わった。

 

 

 

観客席にいる私の所にきたT君は「下がってなかったか?」と私に聞いた。「全く下がってなかったぞ!」と答える。それを聞き、安堵の吐息。

 

一次審査発表の時間となり、会場に戻るT君。

 

帰って来るなり、会場から両手で『×印』

 

第3会場で受けた約90人中、一次審査合格者は3人だったそうだ。

 

 

 

T君の『10年目の挑戦』第一幕は終わった。次回は一年後だそうだ。

 

今度は『仕事探しだ』と。

 

 

 

舌癌にも関わらず稽古していたT君。

 

手術後、声も出せない中、また唾液が出ずらく、息も苦しい中、稽古していたT君。

 

そして、『10年目の挑戦』をしたT君。

 

元気をくれたT君に感謝です。

 

 

投稿者 all-biz (09:25) | PermaLink